●短評・感想
■由貴香織里「天使禁猟区[9]」(HC)
もう9巻なんですね。最近は全体の枠組みはともかくとして、ローカルでのストーリー上の繋がりは完全に計算されているようなので、一時期よりだいぶお話の展開が分かりやすくなってきたようです。最終的に、全体的にちゃんと落ち着くのかどうかがちょっと不安だったりしますが、今更そんなこと別に関係ないか。
■武藤啓「愛っていうのはね」(HC)
三角関係ってのは、どこに落としどころを作るか、そしてそこへどうやってもっていくかって所に面白さがあるんだと思うんですが、どーも事件/シチュエーションに引きずられていて、それらの相互関係にはあまり注意をはらってないような。
■渡瀬悠宇「妖しのセレス[4]」(FC)
1巻から3巻まで悠長に滑り出しを描いているといった感じでしたが、やっと4巻で新キャラも加わりつつ展開しはじめたといったところでしょうか。私は、話が展開しないと眠くなる人なので(笑)3巻まではちと退屈していたんですが、今回はけっこう面白く読めました。なぜかレギュラーと化しているオバQがナイス!アニメのこどちゃに出てくる「ばびっと」みたいですね〜。もはや世界を共有してないよ(笑)!
◆雑誌速報なんだってば!
■メロディ97年10月号
白泉社が少女まんがの新雑誌を創刊しました。「甘さをおさえたドラマ指向」らしいですが、その狙いは世代交代が進む「花ゆめ」「LaLa」のベテラン勢を一気に集結して人的資源の有効利用といったところでしょうか。コンセプトはあるにはあるものの、コンセプト主体で作られたわけではなさそうです。
◎ 樹なつみ「獣王星」
◆「八雲立つ」が終わるまで絶対読めないであろうと思っていた「獣王星」ですが、新雑誌の創刊ということで運良く(とゆーかなんとゆーか)連載開始です。意外な人物が復活してきたり、中断させるには惜しい作品だったなと思いますが、一気に主人公の年齢を進めてきたあたり、長期中断も計算のうちだったのかとも思います。超期待作。
◎ 岡野史佳「オリジナル・シン」
◆SFです。おわり。
◆じゃなくて〜。40Pとは思えないめちゃくちゃな展開速度。じっくりやってもいたずらに展開が遅くなるだけだろうし、かといって今回の速さだとえ?え?え?といった感じで右も左もわからない。でもまあ、とりあえず次回を読まねば、と思わせた時点で連載としては勝利。謎だらけではありますが、岡野先生なので全然心配はしてないのだ。はやく来月にならないかな。ってゆーか、来月号出るまであと1週間だけどさ(笑)
◎ 桑田乃梨子「男の華園」
◆男子新体操というテーマ選定といい、不幸な主人公といい、迷惑な脇役たちといい、これでこそくわ太マンガの王道!単に面白さというだけなら、もしかすると「ほとんど以上絶対未満」の方が上かもしれないけど、桑田先生以外の誰も描けないよこりゃぁと思ってしまったので、この作品はプッシュしたい。ユカリちゃんの不幸を見守っていきたいと思います(笑)
●短評・感想
■野間美由紀「アトモスフィア[2]」(HC)
気象をテーマにしたマンガの第二巻。ストーリーのベースはシンプルなミステリー仕立てだが、トリックに(非常に強引といえば強引なんだけど(^^;)珍しい気象現象を使っているのは技ありという感じ。
■池野恋「おしえて菜花」(RMC)
大御所の「りりか」に続く連載作品。池野先生の作品って、主人公や周りの人に超能力があるっていうのが多いですが、今回もそんな感じ。原点に返って、いい意味でシンプルな作品という感じでしょうか。キャラクターも、男性陣はどっかで見たようなのが多いですが(笑)主人公の姉弟など、周りをかためる脇役がばっちり決まっていて、ストーリーを支えてます。やっぱり、主人公関係でセオリーを外すと池野作品じゃないですから(^^;王道を歩いていって欲しいです。とりあえず2巻に期待。
■水沢めぐみ「トウ・シューズ[1]」(RMC)
個人的に「姫ちゃんのリボン」以来の水沢作品です。しかし、このお話はなんといいますか、既視感の連鎖です。絵的には非常に今風に洗練されてきているのですが、お話的にはちと古いか。モチーフだけでひっぱるのもしんどいし、良さを磨くほどにはオリジナルを感じさせないのが難しいところですが。もうそろそろ、「異色作」を描いてもいいような気がします。
◆雑誌速報
■別冊花とゆめ97年11月号
◎ 岡野史佳「騎士とエンゼル」
◆最近、岡野先生の作品には、他作品に絶対ない「凄み」というかキレが本格的に戻ってきたという感じがします。「緑のゆびさき」から「月齢14.8」、そしてこの「騎士とエンゼル」。どれも、初期の短編にあったいい意味でのシンプルさ、テーマ性、キャラクターをよりグレードアップさせて描いているという印象を受けます。その成長度合いは、はっきりいって驚嘆すべきものがあるとさえ言えるでしょう。初期の作品には、他のどの時期にも持ち得ないような純粋さがありましたが、最近のこれらの短編群はそのかわり、60ページという長さで初期にあったテーマを今描いたら素直にこうなったという、円熟した完成度を誇っています。作中の言葉に倣って言うなれば「やっぱりあの頃と違うのは 僕は 本当に飛んだのだ」という事でありましょう。
●短評・感想
■藤崎真緒「アルペジオ 瞳・元気番外編」(HC)
壮絶な完結を迎えた(笑)瞳・元気の番外編。「ぷよぷよ」編、旅行編、そして響の両親編が収録されてます。ギャグあり、マジな話あり、お話世界を広げる両親の話ありの、バラエティーに富んだサービス満点の番外編。「瞳・元気」が好きなら迷わず読むべしっ。でも、これだけ単独で読んでも(なんでこいつらこんなにラブラブなんだ!?と面食らうこと確実でしょーが(笑))面白いのではないでしょーか。
■成田美名子「NATURAL[4]」(HC)
今回はまるまる「青森旅行編」です。ミゲール、西門のキャラクターが深まってきましたが、まだいまいちミゲールの行動原理が明確になってないからか、ちょっとひっかかるところはありますが、それはこのストーリー全体で語られることでしょうから、あわてずあせらずストーリーの進展を待ちたいですね。しかし、舞台は日本の田舎だというのに、登場人物がハデすぎてあまりそんな感じに見えないですが(笑)、それはむしろこの作品の長所でもありましょう。旅行ネタも豊富で、思わず青森に行きたくなっちゃいますね。
■やまざき貴子「っポイ![11]」(HC)
さて、未だ終わる気配を見せない「っポイ!」です(^^;久々に雛姫、真が大活躍の「春まで待って」と、あいかわらず暗いキャラと話を描かせたらどこまでも泥沼一直線といった感じの「君の帰る場所」の二本が収録されてます。クガジョーという心底根性ひんまがった秀才と、真性いじめられっこのホッタという二人のキャラが織りなす今まででも最もダークだといえるお話「君の帰る場所」は、確かに「っポイ!」でしか描けないストーリーかもしれません。ただ、ここまで徹底しながら、解決へ持っていくストーリーはちょっと甘くなりすぎているような気がします。結局は全て予定調和の中に、キャラクターの行動があるんですよね。問題を捉えきれていない。もしくは、まだ作者の中にその問題に対する確固たる答えが見いだせていない。せっかくここまで徹底するというなら、もう一歩でも二歩でも踏み込んで欲しいです。
■藤田まぐろ「吸血病院へ行こう!」(RMC)
ちょっと古いですが、最近「ケロケロちゃいむ」が絶好調の(アニメは終わっちゃいましたが)藤田まぐろのデビュー作。今ごろ読んでます。これが最初のコミックスなのに、絵的には完全に完成されてますよね。カラーも上手いし。話も、短編のセオリーをはずさず、なおかつあまりフツーでない感じで、僕は好き。しかし、この頃からすでにカエル好きだったのね(^^;
◆雑誌速報
■LaLaDX11月10日号
最近のLaLaDXの充実は、単なる臨時増刊にしておくにはもったいない位ではないかな〜と個人的には思います(^^;麻生みこと、六本木綾、橘裕、あと1〜2人、看板作家がいれば月刊になるのでは。初コミックスが待望される作家さんも、樋野まつり、筑波さくら、桜沢鈴(個人的にこの人の作品はプッシュしたい)、水野十子と目白押しですしねぇ。あそうそう、オコジョさんが大爆発している宇野亜由美からも目が離せません。いったいいつになったらコミックスになるのでしょうか。てゆーか、やっぱりならないのでしょーか(笑)
◎ 柳原望「まるいち的風景」
◆久々です。あいかわらずいい話です。主人公たちがどんどんいいキャラに成長していきますね〜。もうそろそろコミックスになるだけページ数がたまったと思うので、はやくコミックスにならないかな。前回のLaLaでの連載がちょっと中途半端に終わってしまったような印象があるので、次の連載では頑張ってほしいと思います。そういえば、「ネットワークポプリ」の前後でちょっと絵が変わってきたような。
◎ 麻生みこと「天然素材でいこう!」
◆今までは、ただひたすら猪突猛進であった千津の話。どーやら千津もふっきれたよーで。二美、高尾もまだまだ安心出来無さそーです(^^;しかし、あいかわらず真弓加奈子も裏で暗躍してるし、みんなやってる事は前と変わらねーな(笑)という感じもするし、それでいて一人一人着実に成長してますよね。ますます面白くなってきました。
●短評・感想
■日渡早紀「未来のうてな[7]」(HC)
さて、もうそろそろ展開局面にきているはずの「うてな」なんですが、この巻では、ちょっとストーリーがよたっているような気がします。まず、キャラクター数が、必然性を越えて多いです。かつ、ストーリーを膨らませるのかまとめるのかという目的意識に若干欠けていて、リズムを崩してます。どんな長編を描く時でも、はずしちゃならないのは、必要でない場面は描かない、必要でないキャラクターは出さない、これですよね。連載の方では、だいぶキャラクターも整理されてきているので、これ以降に期待。
■樹なつみ「八雲立つ[7]」(HC)
一体いつになったら神剣が6本もあつまるのかという、不思議な展開をしています(笑)。今回も、「捻れる黒髪」「海神を抱く女」という一つ一つのエピソードの完成度は非常に高く、特に完結してない「海神〜」の方は次巻がめちゃくちゃ気になる終わり方してます。が、長編として一体この話はどこに行くのだろうという不安感も。このペースで話を続けたら30巻でも完結しなさそうだし。樹先生はメロディで「獣王星」の連載もはじめちゃいましたし、はたしてこの作品がいつ完結するのか、注目ですね。ホントどうするのだろぅ?
■あゆみゆい「デリシャス[3]」(KCなかよし)
もはやお話について云々する作品でわないですが、あいかわらず、ほんわかしたイラストを描かせると右に出る人はいません。表紙はそうでもないけど、時に、めちゃくちゃいい雰囲気のカラーイラストが描けてます。個人的に、コミックスに折り込みで入っていた1998年のあゆみゆいカレンダーのチラシのカラーイラストが好きですね。繊細なイメージがあって。ところで、小学生の女の子とかって、このレシピみて料理とかするんでしょーか………。しないか。
■最近のアニメのこと
このところ、めっきりアニメは見なくなっちゃったんですが、一本だけ、スタッフ全員がすごくいい仕事をしてるアニメを見つけました。それは、「夢のクレヨン王国」。巷では大反響らしいですが、非常にファンタジックな世界観が素敵ですね。キャラクターは今風ながらも、味のある背景美術やキャラクターの動きの演出、デジタル技術の積極的利用、CVの努力などなどにより、まるで昔のファンタジィなアニメを見るかのような(←褒め言葉)作品です。「とんがり帽子のメモル」とか「メイプルタウン物語」とか好きだったので、こういう作品はすごく好感が持てます。最近こんなの無かったよね。また、オープニングもさることながら、エンディングの雰囲気が非常に良い。歌も良い。バツグンのバランス感覚。キャラクターを動かすだけがアニメじゃない!ぞ、と。
●短評・感想
■高屋奈月「翼を持つ者[2]」(HC)
もう3巻が出てしまいましたが(汗)なんか、どこかで見たような展開をしているよーな気もしますが、これはこれで「可」。独自の世界観の部分が見えてきた。キャラクターの背景もだいぶはっきりしてきたし、いい感じになってきた………かな?
◆雑誌速報
■メロディ97年11月号
創刊2号にして、かなり私の好みの雑誌になってきてます。岡野史佳は僕にとって別格だとしても(笑)、樹なつみ、桑田乃梨子、我孫子三和というLaLa勢の連載はどれも面白いと思うし、読み切りも、田村純子、野口ともこ、六本木綾とLaLa勢が大活躍といった感じ。「花とゆめ」からは、遠藤淑子がこれまたいい話を描いてるし。その他の連載もまあまあ。とりあえず次号も期待出来そう。
◎ 岡野史佳「オリジナル・シン」
◆うーん、とにかく先が気になる、気になる、気になるーー。まだまだ全く話しの全貌が見えませんが(日本だけじゃなく南米まで出てきたし)、とりあえず今回の連載は長そうだというのが個人的には嬉しかったりするのだ(笑)最近、長期連載無かったもんなぁ。今後の展開次第では、非常にすごい作品になる可能性も。引き続き大期待ですね。
●短評・感想
■マツモトトモ「キス[2]」(HC)
毎回同じ短編を読んでいるような気にさせるこのシリーズ、ある意味そのミニマルさが受けているよーな。方法論に対してもう少し自覚的になれれば、飛躍的に面白くなるような気もするのだが、もしかしたら現時点で既に確信犯なよーな気もするわけで。これからどうなるかがちょっと気になる。
■遠藤淑子「マダムとミスター[4]」(HC)
このシリーズも、とうとう4巻。短編が多い遠藤先生の作品の中で、はじめて4巻目が出たシリーズなのではないでしょーか。といっても、この「マダムとミスター」も基本的には短編連作なのですが。しかし、ちゃんと短編でありながら、少しずつ少しずつ一人一人の心境が微妙に変化していく描写には、正直、すごいなと思います。キャラクターの「必然的な」変化を「じっくりと」描くことが、大切なのですね。(それに反して「恣意的な」変化を「冗長に」描いた作品が如何に多いことか)
■立川恵「夢幻伝説タカマガハラ[1]」(KCN)
夢と現実の二面が交互にストーリー展開する和洋折衷ファンタジー冒険モノ。ってどんなカンジじゃいと思いますが(笑)、これが意外なことに非常にきれいにまとまっていて、面白い作品に仕上がってます。現実と夢でキャラクターを上手く重ねあわせることで、そしてストーリー展開をきちんとひとまとまりごとにまとめることで、複雑になりがちな(その割に成果が出ない)このテのストーリーの構成をシンプルで読みやすくしています。押さえたタッチのカラーイラストも魅力的で、「セイントテール」からさらに成長した力量を感じさせてくれます。とりあえずはまだ1巻ということで、今後に期待。
■CD「夢のクレヨン王国・主題歌シングル」(キングレコード)
同名アニメのOP・EDカップリングのシングルです。はっきりいって、びっくりするほどデキがいいといってしまって良いでしょう。いいかげんに作ろうと思ったらいくらでも手が抜ける仕事に対して、みんなめちゃくちゃ頑張って何ランクも上の仕事をしていると思うです。特にED。質実剛健と形容してしまっても良いようなボーカル、丁寧な演奏、録音もミックスも良い。シンプルだから素材の良さが直接伝わってくる。とにかくオススメ。OPも、脳みそ直撃〜なポップな曲で楽しめます。
◆雑誌速報
■花とゆめ22号
「未来のうてな」の遠坂夜子が、「ぼく地球」のありすちんと見分けがつかなくなりつつある今日このごろ………。
◎ 山口美由紀「朝からピカ☆ピカ」
◎ 日高万里「世界でいちばん大嫌い」
◆どちらも、シリーズ中盤の作品らしい、安定した面白さ。日高万里は、前のシリーズでかなり調子を崩していましたが、今回のシリーズは完全にペースを取り戻してますね。万葉から一久まで、ちゃーんとしっかり存在感があるです。
■ララ12月号
橘裕せんせの作品は同人のほうが………(←禁句)
◎ 宇野亜由美「ぼくらはみんな高血圧!」
◆「エヴリ」が自信をもって薦める、今いちばんぶっちぎってる動物マンガ(笑)こんな横暴な動物がいたら………という憧れと、大抵動物ってこんなもんだよなーという郷愁が私をアツくするのだった(←田舎育ち)。
◎ 津田雅美「彼氏彼女の事情」
◆昔に比べても、鮮やかな手腕だけど、その代わり積み重ねたものの「厚み」が若干失われているかな。一本勝ちもいいけど、積み重ねが演出する抑揚も捨て難い物がある。もっとも、今回は短編というよりは長編の中休みってカンジだから、これでいいのかもしれないけども。ところで、あんな女子高生がいるんでしょーか(汗)(←もっともこれは「おまけの小林クン」の小林大和クンにも言えることだが(笑))